パリ五輪へ注目の男子100kg級
2024年のグランドスラム・パリ大会(以降GSパリ)が、今週末フランス・パリで開催されます。全日本柔道連盟は、男子100kg級の代表候補としてウルフ・アロンと新井道大を派遣すると発表しました。パリオリンピックの日本代表がまだ決まっていないこの階級の代表は、GSパリの結果に基づいて選ばれることになっています。こちらでは大会の概要とこれまでの選考プロセスについてご紹介します。
選手のプロフィール
GSパリ男子100Kg級に出場する選手のプロフィールを紹介します。
特徴: スタミナが豊富で、パワーを生かした豪快な柔道が持ち味、東京五輪金メダリスト
生年月日: 1996年2月25日
出身地: 東京都
所属: パーク24株式会社
SNS:aaron_wolf0225、
主な成績:
2021年東京オリンピック 100kg級 金メダル
2017年世界選手権 100kg級 優勝
2018年グランドスラム大阪 100kg級 優勝
特徴: 世界ジュニアをオール一本勝ちで制すなど期待の19歳
生年月日: 2005年1月29日
出身地: 埼玉県
所属: 東海大学1年
SNS:
主な成績:
2023年グランドスラム東京 100kg級 2位
2023年グランプリポルトガル 100kg級 2位
2023年世界ジュニア 100kg級 優勝
GSパリ大会の概要
大会概要
2024年のグランドスラム・パリ大会の開催概要は以下の通りです。
開催日時:2024年2月2日〜4日
開催場所:アコールアリーナ(フランスーパリ)
実施階級:男子7階級、女子7階級
参加選手数:110か国 から 679名
賞金(選手):1位4,000ユーロ、2位2,400ユーロ、3位1,200ユーロ
国際柔道連盟(IJF)ワールドツアーの一環であり、2024年夏のオリンピックの予選を兼ねています。(2024年6月23日付世界ランキングにて出場者が決まる。)
男子100kg級の主な出場選手(大会シード選手)
GSパリ大会の男子100kg級には、46名の選手が参加する予定です。
主要なシード選手には、2022年世界選手権で金メダルを獲得したムザファルベク・トゥロボエフ、同銀メダルのレイズ・カヨル、銅メダルのミハエル・コレル、そして2023年世界選手権で銅メダルを獲得したピーター・パルチックが含まれます。日本からは、世界ランキング29位の新井道大と38位のウルフアロンが参加します。昨年のグランドスラム東京ではウルフは、敗者復活戦でコレルに敗退しています。
シード順位 | 氏名 | 国名 | WRL |
---|---|---|---|
1位 | ミハエル・コレル | オランダ | 3 |
2位 | ピーター・パルチック | イスラエル | 4 |
3位 | レイズ・カヨル | カナダ | 5 |
4位 | ムザファルベク・トゥロボエフ | ウズベキスタン | 7 |
5位 | シャディ・エルナハス | カナダ | 8 |
6位 | バトフヤグ・ゴンチグスレン | モンゴル | 9 |
7位 | ジャファル・コストエフ | UAE | 11 |
8位 | アレクサンダル・クコリ | セルビア | 12 |
パリ五輪日本代表選考の流れ
パリオリンピックの柔道競技は、男女合わせて全14階級と混合団体戦が行われる予定です。これまでに、13階級で日本の代表が決まり、金メダルを期待される実力ある選手が選ばれました。しかし、男子100kg級の代表だけがまだ決定していません。全日本柔道連盟のオリンピック内定基準は以下の通りです。
昨年のグランドスラム東京大会の後、オリンピック代表選手を選出する予定でしたが、ウルフと飯田健太郎の両名が上位に入ることができませんでした。代わりに新井が頭角を現し、決勝まで進出して準優勝を果たしました。この結果、全日本柔道連盟は、男子100kg級のみ内定を見送りました。同時に、グランドスラム・パリ大会の後に再考されることになりました。
本大会には、ウルフと新井が派遣されることから、オリンピック代表選考はこの二人に絞られたと言えるでしょう。
パリ五輪への出場資格
柔道男子100kg級の日本代表選考は、グランドスラム・パリ大会の結果により、決着する可能性が高いです。しかし、オリンピック出場に向けては、国際大会での成績が重要になります。2024年1月段階で、世界ランキング17位(各国1名までの出場なので、重複分は繰り下がり)以内でのオリンピック出場権内に入っていないのは、14階級で男子100kg級のみです。現状はアジア枠での出場資格に該当しており、グランドスラム大会等の国際大会で勝ち進み、ランキングを上げる必要があります。(6月23日ランキングにて出場枠は決定)
両者の直接対決を期待
グランドスラム・パリ大会は、男子100kg級のオリンピック代表を決める大会となります。東京五輪で金メダルを獲得したウルフ・アロン選手と、急速に頭角を現してきた新井道大選手が、この大会で上位に進出し、直接対決が見られることを筆者は期待します。グランドスラム東京の男子60kg級 永山vs髙藤戦のような決戦が見られれば両者ともに納得ができると思います。今週末の見逃せない対決に注目したいと思います。