パリ五輪日本代表に3名が内定
2023年12月2日と3日に東京体育館で開催されたグランドスラム東京2023において、新たに3階級の日本代表内定選手が決定しました。本大会前までは、男女全14階級中10階級の代表者が内定していましたが、女子63kg級で高市未来、女子78kg級で高山莉加、男子60kg級で永山竜樹が新たに決まりました。男子100kg級のみ決定しておらず、2024年2月のグランドスラムパリへ持ち越しとなりました。
パリオリンピック2024へ向けて、これまでの柔道競技の代表選手内定プロセスを振り返り、今後の展望について記載します。
パリ五輪の国別出場枠
2024年夏に開催されるパリオリンピックの柔道競技は、女子7階級、男子7階級、そして混合団体戦の全15種目で行われます。国別出場枠は以下の要件で決定します。
2023年11月の暫定ランキングでは、全階級の出場枠を獲得できるのは日本とフランスのみです。
2024年6月までのランキングは変動するため、選手たちは国際大会でのポイント獲得に努める必要があります。
日本代表の選考方法と内定選手
日本代表の選考方法
日本代表の内定決定方法は次のように発表されています。
2023年3月、全日本柔道連盟は、2023年6月以降に国際大会の結果を踏まえ、監督と強化コーチが他選手よりも優れていると判断した選手を五輪代表内定選手として承認する方針を決定しました。
この基準は曖昧点はありますが、選手の健康を考慮した早期内定を意図しています。
内定選手一覧
これまでに発表された、内定選手は以下の通りです:
女子48kg級:角田 夏実
女子52kg級:阿部 詩
女子70kg級:新添 左季
男子66kg級:阿部 一二三
女子57kg級:舟久保 遥香
女子78kg超級:素根 輝
男子73kg級:橋本 壮市
男子81kg級:永瀬 貴規
男子90kg級:村尾 三四郎
男子100kg超級:斉藤 立
女子63kg級:高市 未来
女子78kg級:高山 莉加
男子60kg級:永山 竜樹
今年6月の第一回目の発表では、1年間の国際大会での実績と5月に行われた世界柔道ドーハ大会で金メダルを獲得した4名が選考されました(この大会で金メダルを獲得した素根輝選手も2回目の選考で内定しています)。
2回目の選考では、8月のハンガリーマスターズ等の成績を考慮し、6名が選考されました。
今回3回目の発表として、グランドスラム東京大会の結果を基に、3名の代表者が決まりました。
本大会では、男子60kg級決勝で永山選手と高藤選手が激戦を繰り広げ、延長戦で代表の座が決まりました。
前回の東京五輪の代表決定戦を思い起こさせる名勝負となりました。結果としては敗れた高藤選手でしたが、敗れた後も清々しい表情が印象的でした。高藤選手の思いを受け継ぎ、永山選手には金メダルを目指してほしいと多くの人が感じたことでしょう。結果として、この大会で日本人最上位でメダルを獲得した3名が選考されました。
男子100kg級の代表内定の行方
全日本柔道連盟は、今大会で唯一代表内定が決まらなかった、男子100kg級について、来年2月のグランドスラムパリ大会の結果を基に選考すると会見で述べました。本大会で、若手ながら銀メダルを獲得した新井道大と東京オリンピック金メダリストのウルフ・アロンが選考の本命になっていくものと予想されます。新井、ウルフ両名の次戦での成績がパリ五輪へつながることになります。
オリンピックまでの日本柔道に注目
13階級のパリ五輪代表選手が決まり、残り1階級となりました。男子100Kg級の行方に注目するとともに、内定を獲得した選手たちの国際大会での活躍にも注目していきたいと思います。パリオリンピックでの柔道競技の活躍を期待して応援していきましょう。